パンデミックによる「新しい日常」での旅行トレンド

2020年11月30日 06:47 JST

ホスピタリティ業界の状況が改善し始めたちょうどその時、何度も話題にされ恐れられてきたコロナウイルスの第2波が、単なる可能性から現実となってしまいました。打撃に追い打ちをかけるこの展開に宿泊施設の経営者達は、施設をオープンし続けるための新しくて斬新な方法をもう一度探しています。

変化と不安の激動の中で、当分の間定着し続けるであろう2つのトレンドがあります。長期滞在型ホテルと、よりエキゾチックな観光地へのワーケーションです。この難しい時に客室稼働率を上げるために、ホテルがどのように部屋や施設の使用方法に工夫を加えているかを詳しく見てみましょう。

長期滞在型ホテル

Highland Groupのレポート によると、長期滞在型ホテルは2020年の第3四半期まで引き続き好調な業績をあげています。稼働率でその他ほとんどのカテゴリーを上回っており、減速の兆候は見られません。これが、多くのホテルがゲストにより長く滞在してもらえるようなパッケージ割引を提供するようになった理由かもしれません。たとえばパルマ市では、ホテルの35%が冬季にも営業を続けることにしており、1泊の料金と比較して月額料金を大幅に値下げしています。

多くの人々がパンデミックの渦中での生活のストレスから解放されたいと感じているため、一部のホテルは、自宅の近くで出来るストレス解消を探しているゲストに長期滞在オプションを提供し始めています。場合によっては、賃貸マンションよりも高級ホテルに住む方が安いことさえあります!

ワーケーション

オフィスさえ持ち出すことが出来れば、全てをあとに残して出かけたくなることがあるものです。パンデミックによってそうすることがこれまで以上に簡単に出来るようになりました。会社が雇用者に在宅ワークを奨励しているため、多くの人々が仕事と休暇を組み合わせるようになっています。場合によっては、一度に数か月間も海外に滞在するという人もいます。TUIグループは、9月にポルトガルのアルガルヴェで最初のワーケーションのためのプロジェクトを試験的に実施しました。人間工学に基づいた机と椅子を備えたホテルの部屋から、総体的なリラクゼーションプログラムに至るまで多岐にわたる設備やサービスが提供されました。好評なスタートと素晴らしいフィードバックを受けて、現在では、より多くのホテルや国々でワーケーションプロジェクトを展開しています。

オフィスさえ持ち出すことが出来れば、全てをあとに残して出かけたくなることがあるものです。

この動きを利用しているのはTUIだけではありません。一部の市役所も運営を継続する意思のあるホテルと協力してこの動きを奨励しています。日本の地方自治体は、従業員に休暇を取ることを積極的に奨励している企業と協力しており、場合によっては費用の一部を負担することさえしています。

どのようにすれば良いか

  • 良く調べる。政府の補助を受けることができるかどうか調べてください。同地域で既にそれを行っている他の宿泊施設からも学ぶようにしてください。
  • 貴施設を仕事で使いたいと思ってもらえるような追加オプションを貴施設の予約フォームに設定してください。宿泊施設管理システムを使用して、1泊単位、もしくは週単位で仕事のために使ってもらえるように予約フォームに設定します。
  • ポイントなどが貯まる制度を設けてください。より頻繁に、より長期間滞在するほど、ディスカウントやボーナスポイントが貯まるようにして、リピーターになってもらいましょう。

旅行したいという願いは今でも存在しています。ホテル側が今まで以上にサービスを売り込み、潜在的なゲストに積極的に宣伝することが必要不可欠となっています。